温度測定の現場では、測定よりも記録作業に時間がかかり、ミスが発生するケースも多く見られます。
・紙への記録からの転記ミスや記入漏れ
・キーボード入力による数値の誤入力や入力漏れ
・記録作業による作業時間の増加(1件あたり5〜10秒)
・測定と記録タイミングのズレ
このような課題には、温度データをPC・タブレット・スマートフォンへ直接入力できる仕組みとして、Bluetooth通信を利用した入力方式が活用されています。
温度データの自動入力が有効となる代表的な作業条件は以下の通りです。
・1日あたり50件以上の温度記録がある
・Excelや帳票システムのフォームに数値入力している
・測定後すぐに記録が必要
・巡回しながら複数箇所を測定する
・手袋着用などで入力操作に時間がかかる
特に、食品検査・出荷検査・設備点検などの現場で活用されています。
従来の温度測定+手入力では以下の問題が発生します。
・記録ミス(入力数値の誤り)
・入力漏れ(測定したが記録していない)
・作業時間の増大(入力工程がボトルネック)
・データ不整合(測定時刻と記録時刻が一致しない)
・作業者ごとの差(記録精度のばらつき)
温度精度ではなく「入力工程」が品質リスクとなるケースが多い
これらの課題に対して、温度記録にはいくつかの方法があり、それぞれに特徴があります。
・手入力で記録する
→ ダブルチェックでミスは減らせるが、作業時間が増える
→ 測定と記録のタイミングにズレが発生しやすい
・測定値をそのまま入力する
→ 入力作業が不要になり、記録ミスを削減できる
→ 作業時間を短縮できる
Excelのセルや帳票の入力欄に直接入力する場合には、Bluetoothによる入力方式が適しています。
▼ 温度データを入力する仕組み
Bluetoothによる入力方式では、測定した温度値をそのまま入力欄へ送信することができます。
例えば、
① 温度を測定する
② データ送信の操作を行う
③ 測定値が入力欄に入力される
このように、測定と同時に入力が行われるため、キーボードで数値を入力する作業が不要になります。
これにより、入力ミスや記録作業の時間を削減することができます。
① 入力方式(既存システムとの適合)
・キーボード入力として動作する方式(HID)
・専用通信を使用する方式
既存のExcelや帳票の入力欄をそのまま使用する場合は、キーボード入力として動作する方式が適しています。
② 測定してから入力されるまでの時間(作業が止まらないか)
温度を測ってから、入力が反映されるまでに時間がかかると、次の測定に進めず作業が一時的に止まります。
・すぐ入力される:連続して測定できる
・数秒かかる:測定のたびに待ち時間が発生する
③ 組み合わせる温度センサ(用途への適合)
・食品や液体の内部を測る
・設備や製品の表面を測る
・同じ場所を固定して測る
測定対象や使用方法に応じて、適切なセンサを選定する必要があります。
◇ 食品検査:HACCP対応の記録作業を効率化
・中心温度(75℃以上)を測定
・Excelのセルへ直接入力
◇ 出荷検査:作業時間の短縮
・製品温度を測定
・帳票システムの入力欄へ直接入力
◇ 設備点検:記録漏れの防止
・モーター・配管温度を巡回測定
・タブレットへその場で入力
以下のような選定ミスに注意が必要です。
・入力方式が合っていない
Excelや帳票に直接入力できない
・測定と入力が別操作
作業効率が下がる
・測定から入力までに時間がかかる
作業が止まる
・入力フォーマットを設計していない
Excelで入力ミスやズレが発生する
・用途に合っていないセンサを使用する
正確な温度が測定できない
温度データの自動入力では、測定精度だけでなく、入力方法と作業の流れを含めた設計が重要です。
選定にあたっては、以下の点を整理する必要があります。
・使用しているExcelや帳票の入力欄にそのまま入力できるか
・測定と同時に入力でき、作業の流れが止まらないか
・測定対象や用途に適した測定方法・センサを選定できるか
これらを満たすことで、入力ミスの削減、作業時間の短縮、データの信頼性向上が可能になります。
また、入力方法にはキーボード入力方式やアプリ連携方式などがあり、用途や運用方法に応じて適切な方式を選定する必要があります。
温度計一覧ページおよび用途別ページを参考に、条件に適した温度計・温度センサを選定してください。