安立計器株式会社

放射温度計の原理

 
 
技術資料
 
放射温度計の原理
すべての物体は赤外線を放射しています。この放射される赤外線の強さ(エネルギー量)は温度が高くなるにしたがい増加しますので、その放射エネルギー量を検知することで温度を知ることができます。このような原理から「(赤外線)放射温度計」と呼ばれます。
 
放射率の問題
物体から放射される赤外線の放射量は材質や表面状態により顕著な違いがあります。たとえば同一温度でありながら、鉄とアルミでは放射する赤外線エネルギー量(放射率)に違いがあるわけです。放射温度計では、理想黒体(放射効率100%の理想的な物体)を基準に温度を算出していますが、それ以外の通常の物体では個々の放射率に合わせて補正を行わなければなりません。この補正値=放射率(ε)を正しく知ることが非接触温度計測の第一歩となりますが、正しい放射率を知るまでのプロセスは煩雑であり、さまざまな問題も含んでいます。
 
外乱の問題
赤外線と温度の関係を定義する理想黒体は、他からの赤外線をまったく反射しないことを前提としています。しかし実在の物質は、外部からの赤外線を反射しています。非接触温度計測では測定対象が放射する赤外線と、他の物体から放射され反射した赤外線は区別されることなく、そのまま測定対象の赤外線エネルギー量として合わせて計測されてしまいます。こうした外乱影響の問題は、目に見えない赤外線の世界の出来事であるため実感することができず、測定者をしばしば悩ませます。